後藤怜奈(お茶の水女子大学大学院)

 

 

今回のミュンヘン国際音楽セミナーは、私にとって2度目の海外セミナーでした。大学院の授業が一段落する春に開催される海外セミナーを探していたことと、過去に参加した知人がとても良かったと言っていたことが、受講のきっかけでした。

 

セミナーを終えた今、私の中に残っているのは、レッスンで学んだ内容は勿論、音楽を学び続けることへの意欲と、深い満足感です。

 

レッスンでは、どちらの先生からも、音楽を立体的に創り上げる方法を学ばせて頂きました。

 

シェーファー先生が楽譜から読み解く音楽は、斬新でありながら説得力があり、一つの楽曲を長い期間弾くことによって生じていた私の悩みが一気に解決するようでした。ドビュッシーのテンポ設定やショパンのペダルの使い方等はすぐに実践するのが難しかったものの、自分のものしたいと強く思いました。

 

ベッケラー先生のレッスンでは、意識する音の追い方を少し変化させるだけで、全く新しい響きが創れるのだと気付かされました。先生が示して下さったバッハの活き活きとした解釈、ショパンの滑らかでキラキラとした響きは私の宝物となりました。

 

自分がレッスンを受けるだけでなく、他の素晴らしい受講生の方たちのレッスンを聴講できたことも、勉強になりました。奏法のアドバイスを自分に当てはめて考えたり、先生方が仰る言葉から描かれる音楽を客観的に受けとめられたりと、とても実りある時間となりました。

 

また、私はドイツ語が喋れないものの、先生の御言葉を直接聞いて理解したい、お話ししたいという想いがあったため、レッスンは全て英語で受講しました。先生方はわかりやすい言葉を用いて対応して下さるので、どの言葉をどのニュアンスで仰っているのか、またジョークも伝わってきて、先生方の素晴らしいお人柄をより感じることができました。

 

セミナー期間中は、Nase夫人のお宅にホームステイさせて頂きました。ホームステイは初めてで、ドイツ語会話も全く出来なかったため、最初は不安でいっぱいでした。それでも、トランジットのトラブルで、初日から深夜に到着するという失礼をしてしまったにも関わらず、温かく優しく歓迎して下さったNase夫人のおかげで、毎日を本当に楽しく過ごすことができました。朝食を一緒に頂いて、セミナーが終わってお宅に戻ると、夜ご飯を一緒に作ったり、カードゲームをしたり、音楽や家族の話をしたり…全ての時間が大切な思い出となりました。本当幸せな時間でした。

 

ですか、英語がもっと…ドイツ語も喋れたら、と思う瞬間も何度もありました。いつかまた戻れる日のために、今後の課題にしたいと思います。お宅にはグランドピアノだけでなく、なんとクラヴィコードまであり、バッハやモーツァルトを弾かせて頂けたことも、貴重な経験になりました。

 

最後に、このような素敵な体験ができたのも偏に、様々な手配をして頂いた小長さまのお陰です。同じ大学院の大先輩として本当に憧れの存在です。またセミナー中も親身にサポートしてくださった朝島さまを始めとする、受講生の会の皆さまに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

1週間のセミナーへの参加を終えて、帰国後、想像していたよりはるかに多くの学びを得ることができたことを実感しています。