小宮山真結(東京音楽大学大学院修士課程修了)

 

バッハをもっと好きになりたい、という思いで参加した講習会でした。日本でもバッハを何かと選んで弾いてきましたが、勉強すればするほど難しいと思えて、何かこれ以上先に進めない壁のようなものを感じていました。初回のレッスンでその緊張感がそのまま演奏に表れていたため、シェーファー先生に第一声「はい、大きく息を吸って〜〜、あー怖かったね〜大丈夫?」と言われてしまい、とても恥ずかしかったのを覚えています。ですがシェーファー先生は本当にお優しく、ニコニコしながら、ものすごくパワフルでエネルギッシュなレッスンをされます。「バッハはもっともっと自由でいいんだよ!!」「バッハもあなたがこの曲(フランス組曲)をパワフルに弾いてくれたら喜ぶよ!」「バッハを弾くときに不安を抱えないで!」「大丈夫!装飾もどんどん入れてごらん、とにかく、なんでもやってごらん、自由にやっていいんだよ!自信のあるところをみせて!」と何度も何度も言われました。装飾も強弱も何も書かれていないスケッチのような楽譜を前にして、常に「バッハのルール」ばかりを探しながら、枠から出ないように弾こうとしていた私には、目から鱗な言葉ばかりでした。レッスン中のシェーファー先生に圧倒され、私も自然と「楽しくパワフルなバッハを弾きたい!」と思えました。バッハを勉強するのが楽しいと思えたのは、本当に久しぶりです。

セミナー中はベッケラー先生とシェーファー先生のレッスンを2回ずつ受けました。ベッケラー先生は、私がシェーファー先生に頂いたアドバイスを、より楽に、演奏に活かせるようにレッスンして下さいました。また、私が分からないままうやむやにしていた組曲の表情や、曖昧だった強弱のつけ方、細かなテンポ感などをすべてはっきりさせて下さっただけでなく、それがまた「私はこうやりたかった」と腑に落ちるものばかりで、大変ありがたいレッスンでした。2回のレッスンで、こんなにもたくさんのアイデアを頂けたことに、本当に感謝しています。今後自分で勉強していく際の自信になります。

修了コンサートのお客さんの暖かさはとても新鮮でした。ホームステイで8連泊させて下さったファミリーも聴きに来てくださり、暖かな言葉をかけてくださって、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。


たくさんの不安を持ったまま参加したミュンヘンの講習会でしたが、不安は一掃され、今はまた新たな気持ちで目標に向かう準備ができました。このような機会を頂けたことに、本当に感謝しています。小長さん、本当にありがとうございました!また細やかなお手伝いを初日から最終日までして下さった朝島さん、本当にありがとうございました。今回の講習会での経験を、これからの人生に活かせるよう精進して参ります。