瀬尾菜月(東京藝術大学音楽学部器楽科4年)

 

私は、このセミナーに参加させていただくのは3回目になります。初めて参加した時からミュンヘンで勉強できたことが私にとってかけがえのない経験となり、また参加したい!とセミナーが終わる度に思います。

 

前回 去年の夏参加させていただいたのですが、自分が思う音楽が全く出せず殻に閉じこもってしまっていました。しかし、行き詰まっている私に、先生方が表現することを怖がらず さまざまな観点からアドバイスをしてくださり トンネルから抜け出す方法を見つけ出すことができました。

 

日本に帰国してから,一度整理し 自分がどう音楽をしたいのか考え直していく中で 徐々に表現することができるようになりました。去年は本当はセミナーに参加するのも怖かったのですが、今となっては参加できて トンネルから抜け出すきっかけを作っていただけて本当に良かったと思っています。

 

私は 小さい頃からドイツ音楽が大好きで,今回もバッハ,ベートーヴェン,ブラームスの三大Bを用意し ベッケラー先生とシェーファー先生に見ていただきました。

 

ベッケラー先生のレッスンでは、主にfの音の出し方を教えていただきました。ブラームスのfは ただ単に大きいだけではなく そこに深さがなければならなく どうやったら 奥行きのある深い音が出るか 腕の使い方を丁寧に教えていただきました。毎回思うことなのですが、先生が弾いてくださる音が、同じピアノとは思えないほど美しく 注意されたことを忘れてしまうほど聴き惚れてしまいます。

 

シェーファー先生のレッスンでは、いつも新しい発見をすることができ驚くことがたくさんあります。一音一音、よく耳で聴いて演奏することがどれだけ大切なことか 再認識させられます。ある程度 譜が読めて手に入ってくると どうしても自己流になって、作曲者が譜に書いてある テンポや強弱の表記を意識せず弾いてしまうことがあるのですが、先生のレッスンで 何度も楽譜をきちんと読むことを怠ってはいけないと思いました。

 

先生方のレッスンも素晴らしいのですが、このセミナーでは 皆同じ志を持った人達が集まるので、受講生達がすぐに仲良くなり 交流の輪が広がることも 素敵なことだなと毎回思います。 人との出会いもとても貴重な物で、大切にしていきたいです。

 

そして、ミュンヘンという素晴らしい地で音楽を学べることが 私を大きく成長させてくれます。ミュンヘンの方々は本当に温かく、修了演奏会でも温かく見守って聴いてくださり、とても嬉しかったです。

 

日本で勉強するとどうしても目の前のことに必死になってしまうのですが、セミナー期間中は ミュンヘンの澄んだ綺麗な空気を吸いながら 音楽をすることができ、新しい気持ちで向かい合うことができます。

 

修了演奏会の時に 聴きに来られたお客様を見て感じたことがあります。皆さん、音楽が大好きな方が来られており、音楽を楽しみたくて聴きに来られているのだと。曲に真剣に向き合うと 弾くことに精一杯になってしまい、楽しむことを忘れてしまいます。漢字の通り、『音を楽しむ』ことを忘れてはいけないと、そのとき実感しました。

 

今回のセミナーを終えて、自分の課題がはっきりとわかり、もっともっと色々な曲を勉強して 知識を身につけ、またこの地で演奏したいなという気持ちが強くなりました。 

 

最後に セミナー期間中もたくさんサポートしてくださった小長さん、受講生の友の会の方に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。